有機栽培 コーヒー
有機栽培のコーヒー豆を販売するお店の中には、コーヒー豆を焙煎する前の生豆の状態で売るところもあります。
コーヒー豆を焙煎してしまうと、どんどん劣化して味が落ちてしまうからです。
焙煎する技術やコーヒー豆の種類、焙煎機の大きさにもよりますが、早いものでは一週間程度で劣化してしまって飲めなくなることもあります。
豆から粉の状態にしてしまうと、さらに劣化のスピードは早くなってしまうので、密閉して冷蔵庫や冷凍庫に入れる必要があるのです。
生豆の焙煎は電気焙煎機などを使うと家庭でも焙煎できますが、中くらいの大きさの土鍋を使って焙煎する方法もあります。
手間はかかってしまいますが、コーヒー豆は焙煎したてに近いほどおいしいので、せっかく有機栽培で栽培されたコーヒー豆を味わうためには、自宅で焙煎するのが一番でしょう。
有機栽培のコーヒー豆を販売しているお店は、小分け業用の有機認定を受けています。
焙煎もしている場合には、製造業用の有機認定も受けているはずです。
有機JAS認証店は、いつ誰から仕入れたコーヒー豆で、焙煎したのは誰で、欠点豆を除去して袋詰めを行ったのは誰で、有機JASマークのシールを貼ったのは誰で・・・という作業過程を記録する必要があります。
作業過程や責任者が曖昧にならないので、万一、何かトラブルがあった場合にも原因が追求しやすいでしょう。
海外から輸入されたコーヒー豆から残留農薬が検出されたというニュースをきくこともありますし、有機栽培のコーヒー豆を買う方が安心できるような気がします。
有機栽培 玄米
有機栽培の玄米は、農林水産省登録認定機関に有機栽培であると認定を受けた玄米のことです。
有機栽培農家は、「最初の収穫の2年以上の間、化学肥料を使わず、たい肥などで土作りを行って栽培」し、「遺伝子組み換え技術を使用せず」、「生産から出荷までの生産工程管理、有機JASマーク貼付などの記録を作成する」ことが義務付けられており、違反すると懲役や罰金などの厳しい罰則を科せられます。
農薬や化学肥料を使わずに栽培された農作物を有機農作物といい、50%以下に農薬や化学肥料の使用を減らして栽培された農作物を特別栽培農作物といいます。
農薬を使わずにおいしいお米を作るためには、ミミズやドジョウ、カエル、クモ、合鴨などの生き物の力を借りる必要があり、それらの生き物が生きていけるような田んぼにするための努力や時間がいるのです。
有機栽培の玄米は普通のお米よりも生産量が低く、手間もずっとかかります。
そのため、やや割高になっていますが、その分、安心で体にもよく、おいしいお米です。
有機栽培農家が苦労して作ったお米が他のお米と混ざってしまわないように、有機栽培の玄米を販売する事業者にも、登録認定機関による認定が義務付けられています。
玄米をそのまま食べたいと考えているのなら、胚芽や糠の部分に農薬や除草剤などが残っている可能性がある普通の栽培米ではなく、有機栽培の玄米を食べましょう。
有機栽培と無農薬
有機栽培と無農薬の違いについて考えてみたいと思います。
有機栽培は、「一定の農場のほ場で2年間以上(多年生の植物から収穫される農作物の場合は3年以上)、無農薬(化学合成農薬無使用)、無化学肥料(有機質肥料)で栽培した農産物です。
これに対して、無農薬栽培とは、農薬を一切使わないで栽培する方法ですが、肥料に関する言及はないので、肥料は何を使ってもかまわないことになります。
有機栽培のように認証制度があるわけではありません。
無農薬の表示については農林水産省のガイドラインで表示禁止事項として定められているものの、罰則がないため、使ってはいけないはずの「無農薬」の表示が未だに使われているのです。
「無農薬」、「無化学肥料」の表示は、消費者が全く残留農薬などを含んでいないという誤解をしてしまうため(優良誤認)、「減農薬」、「減化学肥料」の表示は削減の割合が消費者にわかりにくいため、それぞれ表示禁止事項になっています。
ちなみに、その生産物が生産された地域の慣行レベルに比べて、節減対象農薬(従来の化学合成農薬から有機農作物のJAS規格で使用可能な農薬を除外したもの)と化学肥料の窒素成分量を共に50%以下に抑えて栽培された農作物を特別栽培農作物と呼びますし、節減対象農薬を使用しなければ、「節減対象農薬:栽培期間中不使用」という表示になるので、単に「無農薬」や「減農薬」などと表示している農作物はあまり信用できないと思います。