化成 肥料

化学的に合成された無機肥料を化学肥料といいます。
化学肥料で肥料の3要素の1つしか含まないものを単肥といい、その複数の単肥に化学的操作を加え、肥料の3要素のうち2種類以上を含むようにしたものを化成肥料とよびます。
窒素、リン酸、カリのバランスがよく、最もよく使われている肥料です。
化成肥料の成分は、｢窒素ｰリン酸ｰカリ｣のように表記され、それぞれの要素が7%であれば｢7-7-7｣、窒素10%、リン酸10％、カリ8％であれば｢10-10-8｣となります。
成分が一目でわかるため、植物にあった肥料を見つけるのが容易です。
肥料の3要素の合計が30%以上のものを高度化成肥料といい、それ以外を普通化成肥料あるいは低度化成肥料といいます。
多くの化成肥料は即効性のある肥料ですが、肥料の有効期間が1週間前後と短いのが欠点です。
そこで、樹脂でコーティングされた被覆肥料や、緩効性窒素化合物を含んだ緩効性肥料など、効果が持続する肥料も出ています。
また、ゆっくりと効果を発揮する有機質肥料を加えて、即効性、緩効性両方の性質を持たせた有機化成肥料というのもあります。
即効性のある化成肥料は追肥に、緩効性の肥料や有機化成肥料は元肥に使用するとよいでしょう。
化学肥料のみを使用していると土壌に悪影響が出るため、できるだけ有機質肥料と併用、あるいは有機化成肥料を利用しましょう。
また肥料のやりすぎは植物を枯らすこともあるので肥料にかかれた用法を守って利用しましょう。

液体 肥料

液体肥料は水肥とも呼ばれ、その名の通りの液体の肥料、あるいは固形の肥料を水に溶かして使用する肥料です。
まきやすいのでゴルフ場の芝生などにも使われているようです。
固形の肥料と違い最初から水に溶けているため速効性があり、花の咲く時期など多くの栄養が必要なときにすぐに養分を与えられる肥料です。
そのため主に追肥として使われますが、効果のある期間は10〜14日と短いため、何度も与える、あるいは緩効性のある肥料と併用しないと肥料切れを起こしてしまいます。
また濃度の調整が容易で、広い畑などでも均一に追肥を施すことができます。
水で薄めて水やりを兼ねて与えることも可能です。
与えるときは、薄めの濃度の液体肥料を数回に分けて与えてやるほうが効果的です。
逆に濃度が濃すぎると根腐れや肥料焼けの原因にもなるので注意しましょう。
多くの場合1000〜2000倍に、ものによってはそれ以上に薄めて使います。
薄める目安はそれぞれの肥料に書いてあると思うのでその通りにすれば問題ないでしょう。
根が弱っているなど、うまく肥料を吸収できないような場合は、液肥を霧吹き等で植物体に散布するのも効果的です。
うっかり肥料を作りすぎてしまった場合、残った肥料を保存しておくことも可能ですが、日のあたる場所では藻類が発生してしまうことがあるので、日のあたらない場所で保管しましょう。
作り過ぎなければその心配はないので、できれば残さないように使い切れるぶんを作りましょう。

有機質肥料

有機質肥料とは、その原料が動物や植物に由来している肥料をいいます。
魚粉、骨粉、鶏糞などその効き目は古くから知られています。
しかし、有機質肥料は化学肥料と違い即効性がなく、バクテリアによって無機質に分解されて始めて植物が吸収できる状態になります。
その分効き目は持続し、化学肥料の欠点である肥料の与えすぎによる肥料焼けなどを引き起こすことはなく、連作障害なども緩和することができます。
この有機肥料を施してやることで土の中の微生物も活性化するため、養分が不足しにくくなります。
では有機質肥料をいくつかご紹介しましょう。
まず菜種や大豆から油を絞った後のカスから作られている油かす、その肥料成分は窒素5%程度、リン酸2%程度、カリ1%程度を含有しています。
次に鶏糞、乾燥したもので窒素3%、リン酸5%、カリ5%程度を含み、有機質肥料としては即効性がある肥料です。
続いて草木を燃やして作る草木灰。
水溶性のカリウムが多く即効性のある肥料です。
灰にした草木により多少成分が異なり、木灰ではカリ7%、石灰分20%程度、ワラ灰ではカリ6%、石灰分2%程度となります。
成分の関係でまきすぎると強いアルカリ性になってしまうため、土壌の変化に注意して使う必要があります。
また、硫安、過リン酸石灰など草木灰と混用できない肥料もあるので肥料を混ぜる際には注意書きをよく読むようにしましょう。
今はこれらの肥料を作物に合わせて配合した配合肥料も販売されています。
栽培する作物や土壌の状態に応じて肥料を選びましょう。