ウッドデッキの施工法

ウッドデッキ作りにも様々な工法があり、大きくは次の3パターンに分けられます。
1つ目は、基礎石を正確に水平を取りながら設置し、ここに正確に採寸した束柱を立てて根太、床材という順で仕上げる方法です。
2つ目は、個々の束石の水平だけを測り、束柱の長さで水平を取っていく方法です。
基礎石同士の水平を合わせることはしませんが、束柱は水平を確認しながら採寸・切断する必要があります。
3つ目は、最初に一番外の大枠を組み、これに合わせて基礎石を設置した後、基礎石の上に束柱を立て、水平を取りながら大枠を固定していく方法です。
初心者でも取り組みやすいのは3つ目の工法です。
どの工法でも、レベル(水平)出し、すなわちデッキ床面が水平になるよう調整することが最大の難関となります。
そして大切なのは、基礎石を確実に設置することです。
後になってウッドデッキが沈むことのないよう、きっちりと基礎を固める必要があります。
設置する土地の状況によって作業は変わります。
設置場所を掘り、突き固めて、砕石を入れ、さらに突き固め、その後モルタルを流し込んで基礎石を水平に設置し、固まるまで待って完了―というのが標準的な基礎の施工例です。
土が粘土質で固い場合は、砕石やモルタルを入れる過程を省くことが出来ます。
すでにコンクリートの下地がある場合は、基礎石をそのままコンクリートの上に置くか、コンクリートの上に束柱をそのまま立てることも出来ます。

ベランダのウッドデッキ

ベランダにウッドデッキを設置すると、強い日差しを和らげるなどの効果をもたらす他、無機質なコンクリートの空間が優しさと潤いを与えてくれる空間に変わります。
ただし、マンションのベランダにウッドデッキを設置するには様々な制約を受けます。
第一に、賃貸・分譲に関わらず、避難路の確保や落下物の回避を目的とした規約に従わなければなりません。
計画を進める場合は管理組合や管理会社の許可が必要になるはずです。
元通りに復元できること、容易に取り外しできること、本来の機能を阻害しないことが必須条件です。
大きなものを置くことは難しいでしょう。
設置の段階では、ベランダ特有の問題をどう解決するかを考える必要があります。
例えば、排水のために設けられた傾斜や排水溝。
設置の仕方が悪いと、ズレやガタつきが生じて騒音の原因になる上、排水性が損なわれて泥やゴミが堆積し、虫が発生することもあります。
綿密な設計図を作るとともに、経験豊富で適切に対応できる業者に助言を求めるのが賢明でしょう。
ベランダ用のウッドデッキとして、手軽に敷き詰められるパネルタイプが人気ですが、パネルを並べた時に隙間や段差ができたり、パネルが不安定になったりして、足の爪が剥がれる・指を挟むなどの怪我に繋がることがあります。
強風のためにパネルがめくれることもあります。
パネルタイプのものを選ぶ際には、その性能や工法をよく確かめて、安全に設置することが大切です。

ウッドデッキ　キット

最近は、ウッドデッキ作りに必要な材料が一つのセットになっているキットも販売されています。
説明書に沿って組み立てていけば、ウッドデッキが出来上がるという訳です。
作り方自体が単純に設計され、説明もわかりやすいので、初心者でも取り組むことができます。
大手のエクステリアメーカーやホームセンター、通販会社から販売され、サイズも豊富に揃っています。
初心者の場合、マニュアルを見たり、考えたりする時間が加わりますが、標準的なものだと1日あれば充分に組み立てられるようになっています。
安価に簡単に作れる、というのが大きな利点だといえるでしょう。
ただし、デッキは屋外の過酷な条件下で設置されるものですし、決して安い買い物ではありません。
品質と価格をよく吟味する必要があります。
日本国内で「耐朽性が実証されている木材」が使われているか、そして安全で頑丈な構造で作られているかを確認する、つまり、ウッドデッキにとってどんな構造が安全で、どんな構造が危険なのかを知っておくことは欠かせません。
何より大切なのは、出来上がるウッドデッキが支払うお金の価値に見合っているかを判断することです。
競合する業者との価格競争に勝って客を引き寄せるために、品質に目を背けなければならない現実もあるのです。
メーカーや業者は、そのウッドデッキが長持ちするという絶対的な自信を持って奨めているとは限らないということを、踏まえておくべきでしょう。